二度目の書評

最近,図書委員会から頼まれて久しぶりに書評を書いた。
僕はこう見えて(?)実はあまり本は読まない。
何について書こうか迷ったが,昔読んだ本の書評を書いても生徒のためにならないので,アマゾンの新刊レビューで面白そうな本を探して買って読むことにした。


ところで,今日はその本の話ではない。


僕が書評を書くのは人生2度目だ。
はじめて書いた書評はいつだったかというと,高校生のとき。
やはり図書担当の先生から直々に指名されて書かされ,校誌かなにかに載せられたような気がする。
あれはたしか高校2年の頃。
僕の通っていた高校の卒業生が書いた小説の書評だった。


著者であるその卒業生は,大学生だった。
某大学の文学部に通う,ごく普通の学生。
将来は作家を目指していたそうで,普段から小説を書きためていたらしい。
そんな彼の人生は,今からちょうど15年前に起こった出来事によって突然幕を閉じてしまう。


阪神・淡路大震災


アパートが倒壊し押しつぶされた彼の部屋からは,彼の遺体とともに,書きためていた小説が発見された。
その小説は,家族や友人たちの手により書籍化され,店頭に並んだ。
そしてその本を読んで書評を書いた高校生の僕。
あれから15年。
僕は,いつ死んでも後悔しないような人生を送っているだろうか?