「頑張れ」

今日の午後,グラウンドで持久走大会が行われた。
本来なら先週,別の会場で行われるはずだったんだけど,雨天のため延期に。
小雨が降りぬかるんだグラウンドというコンディションだったが,なんとか行うことができた。


コーナーに立ち,生徒の様子を見ていた。
教員という立場なら,「頑張れ」の一言でもかけるのが適当だろう。
でも,僕はあえて声はかけなかった。
なぜなら,声をかけるまでもなく,生徒は頑張っていたから。


すでに頑張っている人間に対してわざわざ「頑張れ」と言うのはある意味では失礼で,僕のポリシーに反する。
頑張っていない人間に対して叱咤激励するのは当然だけど。
少なくとも僕自身なら,必死に頑張っているのに「頑張れ」と言われたら,「そんなのわかってる,十分頑張ってるよ」とカチンとくるに違いない。
だいたい,「頑張れ」という言葉そのものが,他人事みたいな感じがして僕はあまり好きではない。
まぁそんなわけで生徒に声はかけなかった。


もちろん,人によっては「頑張れ」と言われて嬉しい人や,勇気をもらう人もいるだろう。
それはわかってるんだけどね。
生徒と接するとき,どうしても自分の価値観で考えてしまう。
先生にこう言われたら自分ならどう思うか,とか,こういうことで怒られたら自分ならどう思うか,とか。
自分勝手で申し訳ない。